工匠からのお便り
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工匠の小林です。
前回に引き続き、鎌倉市にある歴史のあるお寺の耐震補強工事を担当しております。
禅宗の寺院で、臨済宗の大本山になります。
境内には、国宝をも含むいくつかの文化財があります。
中には登山ルートや、鎌倉市を一望出来る展望台があるのも魅力の一つです。
そのためか、夏休み期間と言う事もあり多くの観光客の方々が毎日訪れています。
そのような由緒正しい寺院の中で仕事に携われるのは光栄な事です。
こちらのお寺は大本山のため、様々な修行僧な方々がこちらで寝泊まりされています。
一般の方々が見学出来ない場所にも様々な建物があり、随所で工事等が行われています。
構造材を改修、仕上げ材を変更、雨漏りの修繕、増築や復元、家財の修繕や補修など…
工事、改修工事と言っても様々な内容があります。
どの仕事をとっても簡単なものはありません。
新築工事では、原寸、木拾い、木造り、墨付け、刻み、仕上げ等様々な工程があります。
また、構造自体に触れる大改修では、調査、仕様打合せ、確認調査、補強等新築工事にはない難しさや、やりがいがあり新築とは違う面白さがあります。
それに、実際寝泊まりされる庫裡では、さらに難しくなります。
住んでるからこそわかる音漏れ、臭気、騒音対策などは実際に使用しなければわからない事も沢山あります。
お施主様からのヒヤリングや、現場調査をした時に的確に判断致します。
ここが一番重要で、難しい所ではないでしょうか。
何故なら、お施主様が実際に使用してるからこそ工事が成功した際には、喜ばれる、不備があれば信用を失う、クレームを受けるからです。
我々、大工である前に一人の人間として接しなければなりません。
フロントに立ち、打合せをさせて頂く際には事前に下調べや、要点をまとめておく事が非常に重要だと思います。
今の時代では、昔のように大工だから偉いんだ、一番だなんて事は通用しません。
どんな仕事に対しても真摯に向き合い、己を鼓舞し続けなければならないと改めて思えた現場です。
今年の夏は暑い日が続いています。
皆様も熱中症や体調不良等に気を付けながら日々をお過ごし下さい。