工匠からのお便り
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松戸市、市川市、宮大工が手掛ける注文住宅・古民家再生の工匠、広報担当です。
皆様こんにちは。
工匠の加工場には、大工仕事を助け、作業効率を高めるための木工機械がたくさんそろっています。
「電気さえつないでやれば、文句も言わずにずっと動き続けて、ここにある材料くらいなら1日で仕上がるかな。」と、専務。
と言っても、無垢材は一つ一つ癖も、状態も違うのでただ機械を通せば出来上がる、というものではありません。それでもこの機械がなければ何倍もの労力と時間を費やす事になります。手作業よりも断然早い機械の力をかりて、今日も工匠の宮大工の作業は続きます。
先日、松戸市の工匠にやって来たのは『オートリターン超仕上かんな盤 SK-250A』
過去のブログで「オートリターン超仕上かんな盤 PF 90F」をご紹介しました。
木材に鉋掛けをし、表面を仕上げることができる機械です。でも、壊れてしまったんです。その日も朝から「ブーン」と大きな音で働いていましたが、ついに動かなくなりました。
▼こちら「PF 90F」は引退となります。長い間、お疲れ様でした。
そして迎えたのが、今回の機械「オートリターン超仕上かんな盤 SK-250A」です。前回のものよりも少し大きくなりました。社長が機械の動作確認をしています。
前のタイプ「PF 90F」は、工場2階の事務所まで届く轟音で、作業の始まりと終わりがデスクワークしていても分かるほどでした。今度の「SK-250A」は、稼働していても事務所にその音はほとんど聞こえません。近くで撮影していても、とても静かです。
オートリターン機能があるので、木材は自動で前後に動くのですが、やはり大工さん達は一度通しては木の表面や削られた屑を確認しながら、一方方向切削で一回一回丁寧にオペレーションしていました。機械の性能は一定で精確ですが、削られる木の方は一つ一つ違います。日によってコンディションも違います。機械を使っていても、目を利かす丁寧な作業が続きます。
撮影のときの材料は、社寺に用いる太いものだったので重くて大変そうでした。流しては受けに行き、戻しては流すという繰り返し。鉋屑を確かめて状態をみて、また流す。この機械で、できるだけ平らに切削したら最後は手で鉋掛けをして仕上げるそうです。
宮大工が手刻みし、表面を仕上げた材が松戸市の工匠工場から、現場へと大切に運ばれていきます。社寺建築が何十年、何百年と建ち続けているのは、手間をかける丁寧な職人技があるからです。
伝統構法で建てられた木造建築は、部分的な修繕が可能です。宮大工が造ったものは次の世代に受け継がれ、伝承された技術で復元されながらいつまでも丈夫で美しい社寺建築を保っています。
墨付けから手刻み、大きな木材に細やかな作業。手作業が中心の工匠の加工場ですが、ここに揃う機械はスイッチが入ればいつでも精密に稼働し大工たちを支えます。松戸市にある工匠の工場にはそんな機械を揃えています。いつでも必要な時にさっと使えるようにきちっと管理しています。
▲この貼り紙も受け継がれていました。
これからも、工匠の工場で、静かにスタンバイしている心強い存在の機械を紹介していこうと思います。