工匠からのお便り
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工匠大工の長瀬です。
9月下旬の現在、夏の暑さは和らぎ、大変過ごしやすい季節になりました。
引き続き神社様での造作工事が進められています。
過去のブログで加工の様子を紹介しました格天井が組み上がりました。

今回は格天井の仕口について紹介します。
木を格子に組む格天井の仕口は一般的には留にする方法がよく見られますが、今回は大入れにしました。
下の写真が留加工です。
上木下木共に組み合わさる部分が45度に欠き取られています。
この加工ですと年月が経ち木が痩せると留に隙間ができてしまいます。


今回採用した大入れ加工はこちらです(上木を小口切りした形がそのまま下木に刺さる)


比較して見ても非常に僅かな違いだと思います。
完成した見た目は全く同じです。
しかしこの上木が45度でなく真っ直ぐ伸びてる部分が重要です。
この上木のおかげで木が痩せても留は留のまま、完全に空くことはありません。

手間はかかりますが、先のことを考えて見えない部分で工夫をすることに面白さややりがいを感じることができました。
造作工事も大詰めになりました。
最後まで気を引き締めて作業を進めて参ります。